普段、あまり業界全体の大きな話はしないのだが、今回は少し強い危機感があって書く。
ここ数年で明らかに
・農業機械の修理が遅れる
・部品を発注しても届かない
・新しい機械に更新しようとしても、納品まで数ヶ月〜1年かかる/そもそも納期が確定できない
…といったことが現場で増えている。
業者の方に直接聞くと、「農家の数が減りすぎて、メーカーとして在庫リスクを取れなくなっている」という話だった。
日本人全体の平均年齢が48.9歳。
基幹的農業従事者の平均年齢は69.2歳。
人口よりも早いスピードで農家が減っていくのは確実で、需給バランスはこれから恐らく崩れていく。
だから「真っ当に生産/販売しているだけで希少性を築ける時代が来る」と思って僕はサラリーマンを辞めて農家になったし、その読みは正しかったと思っている。
でも一方で、生産そのものを支える基盤が崩れ始めているのを感じている。
農家が減ることでメーカーが潰れる。
販売先が減ることで資材や機械単価が上がる。
特に専門性の高い機械はメーカーが在庫を持たず、受注生産のみになっていく。
つまり何が起きるか。
ピークシーズンに機械が1台壊れたら、直せない。
新車が来るのは半年後。
機械1台の故障が、そのまま農家の致命傷になりうる。
これは10年後の話じゃなくて、もう今起き始めている事象な訳で。
じゃあどうするか。
結局、自分たちが強くなるしかない。
きちんと稼いで機械を余分に持つ。
地域で貸し借りできる関係や、組合的な仕組みを作る。
これから農業者に求められるのは「農業技術」だけじゃなく、高い経営能力とコミュニケーション力だと思う。
僕は前から「都会でうまくいかなかった人が逃げ場所として田舎で農業をする」みたいなモデルには懐疑的だったけど、今後はマジのガチにおすすめ出来ない。
農業は「逃げ場」になり得ない。
特に「誰もやっていない革新的作物を革新的手法で」みたいなのはかなり危険だと感じる。誰も助けてくれない(助けられない)から。
やるなら、すでに産地があり、市場があり、周りに同じ作物の農家がいる場所が一番強い。僕の中では昔で言う「結い(日本の農村社会に古くからある、共同で作業を行う相互扶助の慣行)」の価値が爆上がりしている。
僕の予想が外れることを願っているけど、多分こうなると思っている。
誰かの、何かの参考になれば嬉しい。