最高裁判所は2月20日、トランプの国際緊急経済権限法を根拠に課した広範な関税(全世界向け10%ベースなど)を違法と判断し、無効化した。これにより大統領の緊急権限による関税は失効する見通しとなった。これに対するトランプの対応は、別の法律を活用して関税を維持・強化する。まず、国家安全保障を理由とするセクション232関税(鉄鋼・アルミニウムなど)と、不公正貿易対策のセクション301関税(主に中国向け)は、従来通り有効のまま継続される。さらに、新たに1974年通商法セクション122に基づき、国際収支赤字対策として全世界向けに10%の追加関税を大統領令で発動する。この追加分は既存の関税に上乗せされるため、実質的に高い税率になる。ただし、このセクション122措置は臨時的なもので、最大15%まで、150日間限定であり、期間経過後は議会の承認がなければ延長できない。つまり、最高裁で失った部分を一時的に別の権限でカバーし、時間稼ぎをしながら各国との交渉や他の調査手続きを進める戦略だ。市場や各国は混乱と報復懸念を強めている。